白い天井~恋愛依存症候群~
時計から目を上げれば、ちょうど、ハルコが歩いてくる。
アタシは、大きく叫んでハルコを呼んだ。


2年生の後期ともなると、専門の教科が増え、学部を越えた講義は減る。
一般教養の時間割が合わず、ハルコと会うのはかなり久しぶりだった。


「あ……っ……チサ……。
久しぶり~!」


一瞬、顔が強張ったように見えたのは、気のせいだろうか。


「この前学食で会って以来じゃない?」


アタシは、並んでいた列を抜け、ハルコに合わせて、最後尾に並び直した。


「そうかもね~。今日は一人~?」


「そ。みんな先帰っちゃった」


アタシは学科の友達と連れ立っていることが多い。
逆にハルコは、人懐っこい性格なのに、あまり連んでいる姿を見かけなかった。

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