白い天井~恋愛依存症候群~
「飲み屋が開くにはまだちょっと早いけど……どうする?」

お茶だけで、イイ?

声には出さず、問いかける。


「……飲みに行こ。
少し、ゲーセンとかでつぶしてさ~」


段々にいつも通りに戻ってくるハルコを不思議に感じながら、アタシは、バス停をやり過ごした。


陽は、日に日に短くなっている。
もう少ししたら、あの、傾き始めた太陽は夜闇に消えるだろう。


『今日は、またハルコと飲みに行くことになったよ』


バスを降り、向かったゲームセンターで、一人、格闘ゲームに奮闘するハルコの背中を眺めながら、アタシはユウヤにメールを打った。

店内に流れる音楽がうるさすぎて、送信音は聞こえない。


『送信完了』


画面に映るその文字に、アタシは、ほっと息を吐いた。
< 130 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop