白い天井~恋愛依存症候群~
釣り銭をもらうのももどかしく、タクシーを飛び降りる。

目印と言われた郵便局まで、アタシは一目散に駆け出した。
カッカッカッカッ

ミュールのかかとが甲高く鳴り、靴擦れが激しく痛む。
でも、そんなこと、気にしてられない。

郵便局が1階に入った、白いマンション。
そこに、ユウヤは住んでいるはず。


「302、302……」


郵便受けを確かめる。

藤原。

あった。

たしかに、ユウヤの言ったとおりだ。

古いマンションなのだろう。
セキュリティーの感じられないエントランスを抜けると、エレベーターを待つのももどかしく、階段をかけ上がる。
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