白い天井~恋愛依存症候群~
「もういい」


延々と続く訴えが何より耳障りで、これ以上聞いてなどいられなかった。
口が、勝手に動く。


アタシ自身は薄皮一枚隔た、霞んだ世界にいるようだった。怒りだけを感じて、それ以外は考えられない。
淡々と無表情に動く体が、まるでアタシのものじゃないみたいだ。


こんなバカな話し、あり得ない。


どこかで、そう思う。

ハルコはきっと本当のことを言っている。けれど、それも含めて、今起こっているすべては幻なんだ。

そんな、淡い期待がある。


「よくっ、な、いっ」


止まらないしゃっくりに似た音をたて、ハルコは暴走を続ける。
< 141 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop