白い天井~恋愛依存症候群~
「ヒトをバカにして楽しい!?」


自分の彼氏を、アタシを、ユウヤを。手玉にとって。


「そんな、ことっ……してなっ」


一変したアタシの剣幕にやっとハルコが顔を上げた。
腫れぼったく赤い目からマスカラを含んだ黒い涙が流れている。


「アタシ、はっ……チサ、と喧嘩したく、な、くて……でもっユウヤ、を、好きにな、ったのっ」


「調子のイイことばっかり言わないでよ!」


もう、ここがどこだとか、周りに人が溢れてるだとか、関係ない。

アタシが怒鳴り、ハルコが言い訳をする。
その繰り返しだった。


「ユウヤ、に、選ん、でもら、う」


どのくらい言い争った頃か、ふいにハルコがそう呟いた。


「ユウヤ、が、決めれば、いい、のっ」


おもむろに携帯を探し始める。だが、泣きすぎて力が入らないのか、手元が覚束ない。


「なんでハルコがかけんの!?」


そもそも身を引くと言った矢先の方針変更が許し難い。


アタシはムカッとして、手にしていた携帯を開いた。
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