白い天井~恋愛依存症候群~
静まり返った部屋に漏れてくる声は波紋のように広がって、意外と、聞き取りやすかった。
耳を澄ませば、だいたいの内容はつかめるだろう。


ごろん……


アタシは横になっているベッドの上で、だらしなく寝返りをうった。
方耳を下にして壁に寄り添った姿勢から、仰向けの、両耳があいた格好に転がる。
音が、少しクリアになった。


たまたま寝返りを打ったから……不本意だけれど……。


自分自身に言い訳しながら、それでも、気持ちを集中させる。


『チサ……。
寂しくて死んじゃいそうだよ。
…………でも、死んだ方、イイんだよね、オレなんか。
もう、オレといたくないでしょ……?
…………聞いたんだけど、学校、休んでるって?どこにいるの?
会いたいよ……チサ……これ聞いたら、連絡ください。
……待ってるから』
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