白い天井~恋愛依存症候群~
長い沈黙のあと、電話は切れた。


ツーツーツー


三回だけ響かせて、再び静寂が戻る。


時間感覚の薄れたアタシにははっきりとわからないけれど、きっと、今は深夜なのだろう。
カーテン越しに街灯の光が、ごく僅か、静かに入ってくる。


かけ直す気は、欠片もわいてこなかった。


だって、ユウヤは、昨日の留守電でも、似たようなことを言っていた。

……そして、今日もちゃんと生きている。


あの、死にたがりのユウヤが。

ただ口だけなのか、それとも。


アタシを、待っているから……?


考えて、自嘲の笑みがヒクリと浮かんだ。


なんて調子のイイ。


アタシはまだ、ユウヤを愛してる。悔しいけれど、それが事実。

すがれるものなら、すがりつきたい。
アタシだけのものに、なって欲しい。

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