白い天井~恋愛依存症候群~
血管と筋の浮いた、白い手首。

押し当てるだけでは、どんなに力をこめても圧迫感しか感じない。


チリ……ッ


寒さに身震いすると、刃がブレて痛みが走った。


熱っ……痛い……?


その感覚が自分のものだと理解するまで、数瞬かかった。

離れていた意識と体が一つに戻るような、まどろみから目覚めるような、不思議な感覚。


アタシ……
……痛いんだ……。


もう少しだけ、指に力を込めてみる。

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