白い天井~恋愛依存症候群~
しばらく見とれて顔をあげると、弱い吐き気と頭痛が襲った。


「あはは」


思わず、笑いがほとばしる。
干からびた響きでも、久しぶりの、笑い声。


……たかが、これしき。

転んだ傷よりちっぽけなのに。


緊張したのか、貧血なのか。体は不調を訴える。


変なの。


アタシはやっぱり、生きている。


……その気になれば、いつでも、終われる。


自分の脆さがおかしかった。

たった、これっぽっちのことで。
悩むより簡単に、終末は、くる。

だったら。


ザバッ


洗面器をあけ、新たな風呂湯を背中にかけた。
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