白い天井~恋愛依存症候群~
「さっきおやつ食べちゃったの」


心配してくれるのが嬉しくて。でも、本当は心配される資格がないから。

だからアタシは、嘘でごまかす。


「相変わらずバカだよなぁ」


呆れたようにそう言ってくれるのが嬉しい。
彼はいつだって、アタシの嘘を見抜いているのに。


それから少し、アタシたちは他愛もない話を交わした。


「サークルもあんまり顔出してないんだろ?」


食事も終わり、さて出ようか、という頃になり、彼は急に真顔になった。


「行きづらい、か?」


オレのせいで行けないのか。

言外に、そう、聞こえた。


そんなことない。


ただ、ユウヤに時間をとられていただけ。


「違うよ。バイト忙しくて」


きっと彼は嘘だと勘づく。

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