白い天井~恋愛依存症候群~
「うん」


結局、アタシはそう言うしかない。

不幸だなんて、思いたくない。


「……そうか」


別れた時と同じような、静かな呟き。


「うん。
……じゃあ、ね」


まだ何か言いたげな彼の様子に、アタシはさっさとその場を去った。


彼にすがることは絶対できない。
アタシから、別れたのだから。

幸せになって、欲しいから。


瞳の奥に見え隠れした、くすぶる炎は消さなきゃならない。

アタシの心の奥にある、甘い想いは捨てなきゃならない。


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