白い天井~恋愛依存症候群~
パタン


携帯を、閉じた。
街灯の薄明かりの下、このディスプレイの光は強すぎる。

未読フォルダーには相変わらずユウヤの名前がずらりと並んで、読まれるのを待っていた。

けれど、こんな場所では読む気になれない。
内容はどうせ、決まってる。


……今夜、電話してみようかな…………。


携帯をしまおうとバックを開け、アタシはふいに、本を一冊、教室に忘れてきたことに気付いた。

授業の始まりに、暇つぶし用の本を机に入れ……そのあと、バックに戻した覚えがない。
無意識に片付けた可能性に希望を込めて、教科書の合間をゴソゴソ探す。

今夜一晩学校に置いておいても、無くなることはないだろうが。

< 177 / 254 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop