白い天井~恋愛依存症候群~
アタシは二人に背中を向けて、赤の他人のふりをする。


……アタシには、関係ナイ。

あんな人たち、知らない。


二人の声は、ドッドッと低く鳴り続ける音に消されて、欠片も聞こえてこなかった。


黒い服を着てきて良かった。これなら夕闇に紛れられる。

アタシは絶望と混乱に打ちひしがれた気持ちを抱え、バス停にひっそりと立ち尽くした。

背後がどうなっているのかなんて、わからない。

一向に止まない、エンジン音。
振り向く勇気は、あるわけもない。


バスが来るまで、あと何分あるのだろうか。

時間を見ようと携帯を取り出した、その刹那。


マナーモードを解除していた自分が恨めしい。

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