白い天井~恋愛依存症候群~
彼の広い背中のおかげで、たとえユウヤがこちらを向いても、見られる心配はなくなった。


このまま気付かれませんように……。


平静を装い話しながら、心の中でそう祈る。


「研究室どこに決めた?」


別れる原因をつくった男から隠れるために、別れた男と談笑をする。


アタシはまだ、ユウヤの彼女のはずなのに……。
ユウヤは、別の女と一緒で。


ひどく惨めな気分だった。


「あ、やっときたな」


近づいてくるヘッドライトに、ようやくバスが来たことを知る。
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