白い天井~恋愛依存症候群~
ユウヤは、今にもベッドの向こう側に転げ落ちてしまいそうだった。ほうほうの体で、辛うじて布団の縁にひっかかっているだけだ。

きっとさっきの物音も、ユウヤがじりじりと後退する時に携帯か何かを落とした音だったのだろう。


「そんな物持って……もしホントに刺したりしたら……。
……刑務所、入りたいわけじゃない、でしょ?」


ありきたりなセリフしか、思い浮かばない。
まるでよくある、サスペンスドラマのような場面。


「バカなこと、やめなよ。
……ハルコ……さ……、ねぇ……だって……」


とにかく、この場をなんとかしなくては。
まさかハルコが本気でユウヤを刺すとは思えないけれど、漂ってくる冷たい気迫が、恐ろしい。


「あ…………赤ちゃん……いるん、でしょ?」


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