白い天井~恋愛依存症候群~
「っつっ」


左肩に、熱が走った。

ざくり、と深く、焼ける感覚。


「きぃあああっ」


奇声が、耳のすぐそばで鳴り続け……。


突き刺さった刃の引き抜かれる違和感で、痛みが弾けた。


「つうっ」


熱さが痛みだったと気づいた瞬間、アタシはあまりの苦痛に呻いた。


刺され、た……。

脅しでは、なく……本当、に。


転んで怪我をするとか、病気でどこかが痛いとか、そんなものとは全然違う。

ショックで膝がガクガク震え、今更ながら、恐怖心が湧いてくる。


ハルコの狂気は、本物、だ。


「チサ……!」


ガラガラの声でユウヤが叫ぶ。

けれど、アタシからは、ユウヤが、見えない。


ただ、ハルコが……。


再び振り下ろされる、痛みが……。


「……や……っ」


知らず、小さく悲鳴がこぼれた。
意地も、虚勢も、欠片すらなく。

アタシはひたすら、目の前の敵意に、支配される。


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