白い天井~恋愛依存症候群~
なんで泣いてるの?


強い人なのに。
アタシに甘えてくれない、憧れの人。


「……?」


何か話さなくては。
そう思った時、アタシはやっと、自分がベッドに寝かされていることを知った。


ギ……ッ


身じろぎに、スプリングが軋む。
堅くて、清潔な白いベッド。


なんで?


今更ながら、彼がいる不自然に疑問を感じる。
そして、横たわる自分にも。


「このまま起きなかったらどうしようかと思った……」


「チサ!?」


途切れ途切れに言う彼の後ろから、今度は聞き飽きた高い声。


ママ……?


変な組み合わせ。
接点のない二人が、どうして一緒に……?


タカタカと足音を響かせ、花瓶を抱えたママが彼の背中から現れる。
疲れた、顔。


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