白い天井~恋愛依存症候群~
つないだ指は、ほどかれない。

振り払うのもためらわれて、居心地の悪い思いで、アタシは部屋を見回した。


1LDKといったところか。どちらかというと、殺風景な。
必要最低限の家具と家電しかない。
趣味を感じさせるものも、思い出の品も、何もない部屋。


アタシたちは、黙って座っていた。

一緒にいるとは言ったものの、何を話せばいいのか、わからない。
自殺志願者なんて、アタシは噂話にしか、知らない。


右側に座るユウヤを、そっと見る。

何を思っているのか、俯いた横顔は少し長めの髪に隠れて伺いしれない。
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