白い天井~恋愛依存症候群~
荒々しく携帯をカバンの奥に突っ込む。
苛立ちのせいか、足音も早く、雑になった。


きっと、アタシは今、相当に不機嫌な顔をしている。
冬場ならまだしも、この夏の宵の明るさでは、すれ違う誰もに、アタシの機嫌はまるわかりだろう。


頭の隅では、ユウヤが元気でいて良かったと思うべき、とわかっている。
けれど、気持ちは自分でもびっくりするほど荒れていた。


アタシの隣で弱々しく笑っていたユウヤの姿が思い出される。
切なげな、横顔。
そして、初めて会った飲み会での、堂々とした、笑顔も。今ならはっきり、思い出せる。
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