白い天井~恋愛依存症候群~
白状してしまえば、ユウヤの顔立ちはかなり、アタシの好みだ。

浅黒い肌に、くっきりとした、その割に馴染みやすい目鼻立ち。
その時々でくるくる変わる、豊富な表情。


最近こそ、慣れて地が出てきたのか、自己中心的な性格が鼻につくようになってきたけれど、それでも、ユウヤといるのはなんだか、気まぐれで寂しがり屋の猫といるような、不思議な満足感と愛おしさがある。


勝手にすればイイんだ。


時計は、午後6時。長くなった日差しは、まだ赤らむことなく低めの空で照っている。

今夜はきっと熱帯夜になるだろう。
蒸し暑さに自然、眉をしかめた。


早々に着いてしまった駅前をブラブラしながら、アタシは心の中で毒づいた。


もう、知るもんか。
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