白い天井~恋愛依存症候群~
デパートのレストルームに入り、さっき雑貨屋で買ったばかりのバラのピアスをつける。

まわりには、誰もいない。

アタシは鏡の中、ニコッと笑顔をつくってみた。


大丈夫。


年下の彼女らしく、無邪気に笑える。


携帯で時間を確かめると、いつの間にか、待ち合わせまでは30分をきっていた。


早く来るかもしれないし……。
行って待ってよ。


最後にもう一度グロスを塗り重ね、確かめた。



ブブ、ブブ、ブブ


デパートの出入り口。
けだるそうにベンチに腰掛けるおじさんたちをよけて歩いていると、メールの着信をつげるバイブが鳴った。
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