白い天井~恋愛依存症候群~
「ホントだって!
……何?オレ、そんなに信用できない……?」


声のトーンが一気に下がった。


ヤバい。
ここ数日の経験でそう思う。

また、急下降だ。


「チサの電話切ったのだってさ、レジにいたからで……オレだって悪いと思ってるんだよ?」


「別に信じないわけじゃないってば。
……おいしいの作ってくれたんでしょ?ありがと」


なんとなく理不尽に思いながらも、慌てて調子を合わせる。
あとでこの落ち込みから浮上させる面倒くささを考えると、今フォローしておいた方が幾分いい。


「……じゃあ、来てくれる?」


いや、それとこれとは……。
思わず言いかけた。


アタシにだって都合ってものがある。
しかも、今日の用事は大事なチャンスだ。

けれど反面、すがるような切ない声に、なんだか、子犬を捨てるような心境になる。
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