白い天井~恋愛依存症候群~
つづけてかけた、二度目。


「…………何?」


やっと電話に出た声の、抑揚のなさが、あの日を彷彿とさせる。

アタシの中に根付いた、恐怖の記憶。


「何の音?何してるの?」


カチャカチャと陶器がぶつかり合う。


「…………チサには関係ナイ。
もう、イイんだ。……さよなら」


プチ。
ツー、ツー、ツー


アタシは、全身の血の気が一気に引くのを感じた。


ユウヤ!?


彼との待ち合わせ時間まで、あと数分。もう行かなくては間に合わない。
でも。


ユウヤが!


あの死にたがりを、今放っておいたら……。

考えるだけでも、恐ろしさに涙が出てくる。


どうしよう……!?


再び切られた電話は、かけてもかけても、つながらない。
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