白い天井~恋愛依存症候群~
パラ……バラバラバラバラ


金色の花火が幾筋もの尾をひいて、垂れ下がる。


来て良かった。


嬉しそうな横顔にそう思う。


本当はユウヤに誘われた時、かなり迷った。
この花火大会には、思い出があるから……。

去年、まだ付き合い始めたばかりの、彼とアタシの、思い出、が。


「わぁ」


パアァン

赤、緑、金色の大輪が咲き乱れ、思わず歓声がもれる。


……余計なことは考えない。
今日は、そう心に決めてきたはずだ。
しっかりしなきゃ。


アタシは、半分以上溶けてしまったかき氷を頬張りながら、夜空をしっかりと見上げた。
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