白い天井~恋愛依存症候群~
「このくらい余裕でしょ」


暑さのせいか、ユウヤは嬉しそうにスプーンをくわえる。


彼と別れるのは、自分で自分の息の根を止めることに似ていた。
でも。


ユウヤには、アタシがいてあげなくちゃ。


その思いが、すべてを支えた。


始まりはどうあれ、アタシは今、愛されてると心から思える。
ユウヤも、アタシのために生きてるんだ、とさえ思う。


そして。


アタシは今、確かにユウヤを、愛している。


何度も何度も、求めるられるだけ、アタシはユウヤに愛を囁いた。

照れはない。
もう、慣れた。



でも。時折思う。
……もしかしたら。

信じ込みたいだけなのかもしれない。

愛している、と。

迷わない、ために。


……もしかしたら、信じ込ませたいだけなのかもしれない。
愛していると。

ユウヤがより、アタシを求めるように。
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