最後に初めまして。
古都が言う言葉がまだ信じられなかった。
と言うよりかは実感がなかった。

古都が俺の前からいなくなる?

もう二度と古都に逢えなくなる?

今、元気な顔で話かけている古都が…死ぬ?


病室のドアが開きヒロと百合さんが照れくさそうに顔を覗かせた。


『死に損ないの調子はどうかな古都ちゃん。』

『えっ?大丈夫みたいですよ。あはは…。』

『また泣いてたのか?コイツの為に流す涙なんて無駄だから止めな。』

『でも元気そうで良かったわ。心配で仕方ないんですから古都さんわ。』


ヒロと百合さんがズカズカと入ってくるこの空気がたまらく今は嫌で嫌で仕方がなかった。


「ヒロ、百合さん一人にしてくれないかな?悪い…古都も。」

『お前何言ってんだよ?百合も心配して来てるんだぞ!』

「だから悪いって言ってるだろ?頼むから出てってくれ!」

『てめぇわ…――。』


キレるヒロを百合さんが止める様に外に追い出した。


『また…明日来るね。』


そう言って古都が病室を後にした。

病室の天井を見つめただ涙を堪えるしか今の俺には出来なかった。

やっと巡り逢えたのにまた引き離される。

こんな事が合って許されるのか?

どれだけ傷付けばいいんだろう…。

考えても考えても涙は止まらず答えるすら出て来なかった。
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