最後に初めまして。
煙草も吸い終わっるとヒロに病院まで連れ戻された。

看護士や白衣のオッさん連中にこっぴどく叱られヒロと二人で頭を下げるだけだった。

取りあえず今はこの不自由な体を治す事が優先だからな。

俺は色々考えるよりもジタバタと最後までわるあがきをする事を強く決めていた。


「母親ん時みたいに後悔するのはご免だからな。やるだけやるさ。」


そう自分に言い聞かせていた。


退院までの間、古都は毎日笑顔を見せてくれていたがだんだん痩せていく様にも見えていた。

入院中に白衣のオッさんにも色々聞いていた。


『間質性肺炎?なぜそんな事を聞くんだね。』

「知人がその病気で苦しんでいるので…。」

『発病率は10万人に5人程度で治療が困難だな。呼吸困難、痰を伴わない咳。体重の減少、微熱、疲労感。風邪に似たような症状。移植による治療が一般的だ。』

「ありがとうございました。参考になります。」


後、夢の事についても訪ねたな。


『なるほど、幼い時に強烈な出来事があると忘れようとか何か置き換えようとする事がある。何かと何かを転換する。すなわち知らないうちにすり変わっていたみたいな事だね。』


つまりこうだ…。

雨の日に良く見るあの夢は幼い時の記憶だった。
母親のいなくなった日ぐらいの出来事でそれを知らないうちに記憶の奥深くに閉じ込めた。

それが雨と言うキーワードで夢の中で思い出すと言う事だった。
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