最後に初めまして。
父親は大きく息を吐いてから俺の顔見て威嚇するかの様に話した。


『高瀬君…君はそれがどう意味が知ってて言っているのかね?』

「はい。もちろん全てお聞きした上でここに来ました。」

『後数ヵ月でこの世を去ろうとする娘と一緒になりたいなんてバカな話を受けられるはずはなかろう。帰りたまえ。』

「良い返事を頂くまでは帰れません。僕はお嬢さんを愛しています。お願いします。」


俺はソファーから床に座り直し頭を下げた。

父親は顔を横に向けて俺の行動を見ようともしなかったが、そんな事は初めから分かっていた。

生半可な事じゃ許して貰えない事ぐらい。


『娘はこの事は知っているのかね?』

「お嬢さんは知りません。知ったら断られるでしょう。だから初めにご両親に許して貰う為に来ました。お願いします。」

『娘に相談もなしに勝手に来たのか?なんて奴だとっとと帰れ。』


そう言い残し父親は部屋から出て行った。

俺は渋々帰るハメになった。

しかしこれで終わらせる訳には行かない。
ここで終わったら先に進めないからだ。

俺はまだ古都の事諦めちゃいないんだから…。

俺が出来る精一杯な事をしようと決めたのだから…。

次の朝から俺の以上なまでの行動が始った。

父親の朝の出勤時間から始まり昼食時、帰宅時と父親に話を聞いて貰う為にあらゆる事をした。

時には公衆の面前で土下座さえ苦ではなかった。
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