最後に初めまして。
妹が看護士をしていて、俺の職種だと再会しても不思議ではなかったのだが、古都の病院とは考えてもいなかった。

積もる話しもあったのだが俺は早々に立ち去った。

父親とお偉い白衣の先生と話をした。

結論から言うと非常に危険な賭けだと言う。

俺との適応検査が良くても今の古都には手術に耐え得る体力が厳しいらしい。

そんな事は初めから分かっている事だ。

俺は例え1%の可能性でも指をくわえて見てられない、と伝えたが後は両親の判断に委ねる形になった。

次の日に俺の検査を行なう事だけが決まっただけだった。

病室に戻ると不安な顔で古都が待っていた。

そこには何やら検査をしている久実の姿もあったが、お互いあえて口に出さなかった。

久実が病室を出る時に俺にナースセンターに立ち寄る様に伝え病室を出て行った。


『どうだったの?』

「明日俺の検査だってさ。古都と俺の相性だから間違いないって。」

『うん。そうだね。何だか少し楽になった。』

「もっと早くに動けば古都も苦しまなくても済んだのに…ごめんな。」

『謝らないでよ。私の為にそこまでしてくれるだけで嬉しいのに…。でも良く父親が許したよね?大変だった事ない?』

「結構頑固な父上様でありますな…。」

『でしょ?苦労してるんだから。あははは…。』


久し振りに古都の笑顔が見る事が出来た。
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