最後に初めまして。
手 紙
手術の日の前日俺は病院側の配慮で古都の病室に簡易ベッドを置いて泊る事が許された。
この日の朝、俺は婚姻届を提出して来ていた。
俺も古都も照れくさくてどことなく変な気分だった。
『私達って夫婦になったんだよね?何にも変わってないのに変な気分。』
「だな。何一つ実感なんてないのに変な気分でいっぱいだ。」
『ごめんね。こんなお嫁さんで…。あはっ。』
「料理は特訓しなきゃだめだな。」
『はぁーい。登がちゃんと教えてよ。』
「ああ…。厳しいから覚悟しときなさい。」
古都は突然黙り込んだ。たぶんこうなる事は分かっていた。
だからあえて古都も普通の話をしていたのだろう。
隣りで寝ている古都の手を握った。
震えながら泣いているのが分かる。
もしかしたら明日死ぬのかも知れないと言う恐怖心が古都を襲っているに違いない。
起き上がって古都を見ると前に買ってあげたネックレスを片手で握り締めていた。
『もし…死んだら登と同じ墓に入れてくれる?』
「入れてあげない。俺より先に死ぬなんて俺が許さないから。」
『意地悪…。』
「古都…愛してる。きっと古都は生きて俺の所に帰って来る。今度は俺が待つ番だ。」
『登…ずうっと前から愛していました。きっと帰って来るから待っててね。』
俺達は手をつないだままゆっくり眠りに着いた。
きっと明日は笑って過ごせると信じて。
この日の朝、俺は婚姻届を提出して来ていた。
俺も古都も照れくさくてどことなく変な気分だった。
『私達って夫婦になったんだよね?何にも変わってないのに変な気分。』
「だな。何一つ実感なんてないのに変な気分でいっぱいだ。」
『ごめんね。こんなお嫁さんで…。あはっ。』
「料理は特訓しなきゃだめだな。」
『はぁーい。登がちゃんと教えてよ。』
「ああ…。厳しいから覚悟しときなさい。」
古都は突然黙り込んだ。たぶんこうなる事は分かっていた。
だからあえて古都も普通の話をしていたのだろう。
隣りで寝ている古都の手を握った。
震えながら泣いているのが分かる。
もしかしたら明日死ぬのかも知れないと言う恐怖心が古都を襲っているに違いない。
起き上がって古都を見ると前に買ってあげたネックレスを片手で握り締めていた。
『もし…死んだら登と同じ墓に入れてくれる?』
「入れてあげない。俺より先に死ぬなんて俺が許さないから。」
『意地悪…。』
「古都…愛してる。きっと古都は生きて俺の所に帰って来る。今度は俺が待つ番だ。」
『登…ずうっと前から愛していました。きっと帰って来るから待っててね。』
俺達は手をつないだままゆっくり眠りに着いた。
きっと明日は笑って過ごせると信じて。