最後に初めまして。
雨の降る 学校の帰り道

捨てられた子猫が寂しく

泣いている


その場所を離れず ただ

泣いている



どうして そんなに泣いているの?

ママがいないから。

ママは どこに行ったのかな?

分からない。朝起きたらいなくなってた。

子猫と同じだね。

泣いてるの ?

一緒に泣いてあげる。

君の名前は?

私?私はサラ。あなたの名前は何?

僕の名前は登。

サラは何故泣くの?

私は猫の生まれ代わりだから…もうすぐ死ぬんだよ。

なら僕ら猫のお医者さんになってサラを助けてあげる。

ホント?約束よ。私ずっと待ってるから。

ここでずっと待ってる登が来るまでずっと。


僕は傘を置いて 走った

雨の中を 懸命に走った


溢れる涙が――





――嫌だったから。

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