最後に初めまして。

俺がまだ小学生の時、1コ下にまるで太陽のような女の子がいた。

明るくて誰にでも優しく肩までの髪が印象的で、笑顔が魅力的な彼女。

都会の小さな学校だったから彼女は瞬く間にアイドルになっていた。

さしずめ俺も例外でなく病院の窓から外を眺める彼女に出逢い、その柔らかい笑みに恋をして、子猫と遊ぶ無邪気な姿にときめいていた。

学校で見る彼女も好きだったが、病院に通う彼女をわざと見に行っていた。
そこで見る彼女の方が好きだったから…。

ヒロの印象とは少し違うが彼女もまた、日本人のそれとは違う雰囲気を持っていた事はかすかに覚えている。

でも…。


「そうさ、彼女ではない。だって…――。」


俺はその後の言葉を飲み殺した。


『――… 登？おい!。』

「ああ… 聞いてる。」

『ホントかよ？まぁ、いいけど。今週末にlonelyに行くって、その子に伝えといたから。』

「ああ…分かった。」

『じゃあな。切るぞ。』

「わざわざ、ありがとな。」


絶対に違う…。

彼女は確かに、もうこの世界に存在しないのだから。

あれは俺が小学校6年の時に彼女は交通事故で亡くなったはず…。

その時に俺は淡い初恋も終わって涙を流したのだから。

倉木なんて性は何処にでもあるし、たまたまの偶然だ。

その時は自分にそう言い聞かせていた。