最後に初めまして。
倉木 古都(こと) その名前は正しく亡くなった初恋の相手の名前だった。

古都なんて名前そんなにあるはずはない…。
それとも、本当にただの同姓同名なのか?

俺の頭は混乱していた。


「君、歳は…いくつ?」


『――…2、24 です。』

「今年で…25?」

『はい…。』


歳まで同じとは…。


「あのさ…――。」

『登く~ん、何を熱くなんってんの?』


何処からともなくヒロが言葉をカブせてきた。
どうせ空気を察して飛んで来たのだろう。


『これでも飲んで落ち着いたら。倉木さんはオレンジジュースでいい?』

『あっ。ありがとう。』


ヒロが持って来たバーボンに口を付ける。


『こんばんわ。この前はどうも。コイツ、少し熱くなってるからお邪魔するね。』

『…こ、こんばんわ。』

『で、お前が熱くてなる理由って何よ?』


俺は初恋の相手の名前の事と彼女の名前の事を手短に話した。


『ぶっ、わっははは…。お前が初恋だって?』

「今はその話は関係ないだろ?」

『悪い悪い。で、その子と、この倉木さんが同じ人だって事?』

「同じ訳ないだろう。」

『ならそれが事実なんじゃないの?』


言われて見れば確かに同じ人のはずはない。

それに俺の初恋の彼女の名前なんて知っているヤツもいるはずはない。

俺自信ですら忘れていたのだから。
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