最後に初めまして。
猫とじゃれている微笑ましい光景を見つめていた時、彼女は俺に向って話出した。


『私が猫の生まれ変わりだって言ったら信じます？』

「猫の生まれ変わり？」

『そう。だから猫の言葉が分かるんです。』


馬鹿げてる話だ。

普通のヤツが聞いたら頭がイカれてるって思うがここまでの話自体イカれてる。

付き合うように俺も彼女に問いかけた。


「なら、その猫は何て言ってるんだい？」

『この猫ちゃんが…ですか？う～ん…。』


少し困った表情で猫を見つめ考えていた彼女だったが、何かを思い付いたかのように俺に微笑んで来た。


『あの、私の指が美味しいって。』

「ぶっ、わっはは…。」


大声で笑う俺を見て彼女は少し頬を膨ましながらそばにやって来た


『笑い過ぎです。』

「いや、悪い悪い。でもくっくくっ…。」

『あの…私、小さい時から猫しかお友達いなかったから…。それで本当に自分は猫の生まれ変わりじゃないかって思ってました。…変ですよね？』

「変とは思わないな。前にもどっかで聞いた事あるし…俺も動物のお医者さんになるって信じてたくらいだから。まぁ、小さい時はそんなもんじゃない？」

『やっぱり、えっと…その…登は思ってた通りの人です。』


名前を呼び捨てにする事に戸惑う彼女の苦笑いを見ていたら、自然と俺も顔笑みを浮かべていた。
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