最後に初めまして。
店に戻るとヒロが目を輝かせながら待っていた。


「まだ居たのか?」

『登くん…冷たい。で、彼女何だって?』


俺は照れくさかったが古都との経緯を話出した。


『あっ?期間限定の恋人ぉ、マジぃ?』


周りに聞こえるような声で驚くヒロの肩を抑えた。


「声、でか過ぎっ。」

『お前納得したのか?』

「ある意味面白いだろぉ?退屈しのぎにはなると思うけどな。」

『あの手の女はヤバいって!俺は知らないからな。』

「大丈夫さ。少し変わってはいるがな。」


そう、彼女が夢中になったとしてもすぐ逢えなくなる。

何も心配するような事はなかったはずだ。

そう―、たった8日間。
何も出来やしないし、何も変わらない…。

ましてや…そこに何かが生まれるなんて有得ないはずだ。

俺の長い過去の中のたった8日間だけでは。

ヒロは自分の意見を聞く耳持たない俺が気に入らないのか、可愛い彼女が出来た為、折角の連休を棒に振るのが嫌だったのか、朝方別れるまで機嫌が悪かった。

朝日が昇る前、俺は部屋に戻った。

恋人ごっこ…か。

変わってるヤツだな。

何をすれば良いのか分からなかったが気楽に考えていた。

連絡先を渡してあるし向うから電話でもあるだろうと安易に思い、長い一日を早く終わらしたく深い眠りについていた。
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