最後に初めまして。
頬を染めて軽く舌を出す古都の服装は、Gパンに白色のTシャツの上にピンク色のキャミソールの重ね着だった。

いかにも遊園地に行きます的な服装が少し腹立たしかった。

チッ、何か振り回されてる気分だな…。


「遊園地ねぇ~。何か、ガキ臭くない?」

『ええーっ?恋人同士ならまず遊園地って言ってましたよ。』

「はぁ?誰が?」

『えっと、あの…秘密です。はい。』

「安易な考えなヤツやなぁ。また秘密だし。」

『いいから早くぅ、用意して行きましょ。』

「はい、はい…。」


俺は振返り、その場で着ていたTシャツを脱ごうとした。


『きゃっ。』

悲鳴にびっくりした俺は古都を見ると顔を赤らめ俯いていた。


「悪い。俺、シャワー浴びてくるからコーヒーでも飲んでな。そこにあるから。」


古都は俯いたまま小さく小刻みにうなずいていた。

『あっ、登。朝食まだですよね?冷蔵庫の中使っていいです?』

「作ってくれるの?」

『味は保証出来ないけど良ければ…。』

「どーぞ。それと敬語の練習の成果、いまいちに出てないからな。」

『えっ?ごめん…ね。』


初々しい所は新鮮で可愛いのに…。

遊園地に行くのなんて何年振りだろうか?

今まで誘われても行った試しがない。

人込みが嫌いで楽しいと思った記憶がない遊園地に行くなんて…。
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