最後に初めまして。
主だったベンチやテーブルは空いてなく、日陰の座れそうな芝生で食事をする事にした。

俺は冷たい飲み物を買い食事の用意をする古都の背後から近付き、頬にペットボトルを押し付けた。


『きゃっ。』


飛び上がる古都を見て俺は笑い転げる。


「くっくく…。さっきの驚いた古都の顔、最高だったわ。」

『もぉー、子供みたいな事してぇー。』


そう言いながら頬を膨ませる古都も子供みたいだった。


「それで…お弁当って、何作って来たんだ?」


覗き込む俺に照れながらお弁当を差し出す古都。


『あまり上手に出来なくて、ど…どうぞ。』

「おっ、サンドイッチか?旨そうじゃん。」


不揃いに並んだサンドイッチは少し焦げた卵が顔を出したり、ハムが顔出したりしていた。

俺は恐る恐る手を伸ばし取りあえず一口食べて見た。

見栄えの悪さ程味は悪くなかった。


「うん。悪くない。」

『本当に大丈夫?不味くないですか?』

「ああ、結構行けるよ。古都も食べてみな。」

『はい。いただきます。』

『うん、美味しい。』

「自分で作って、自分で言うかぁ?」

『ですね。あははっ。』


微笑む古都の顔がとても印象的だったのを今でもはっきり覚えている。

古都から離れて食後の一服を一人静かに味わっていた時に異変は起きた。
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