最後に初めまして。
家に着くまで終止古都は眠ったまま起きる気配もなかった。

俺はまた古都を抱上げ部屋へ向かい、ベッドに静かに寝かせた。

タオルで水を含ませ、古都の顔と首筋の汗をもう一度拭き取り、寝顔が見える位置のダイニングテーブルのイスに座り込んだ。

煙草を吹しながら古都の顔を時間の過ぎるのも忘れて眺めていた。


「アイツはまるで嵐のようにやって来たな…。」


人のリズムに勝手に入り込んで来て、それはとても嫌な事だけどそれ程ムカつかないのは不思議だった。

古都の柔らかさもあるだろうが俺自信新たな発見でもあった。


プルルル…プルルル…プル。


着信音が鳴り、古都が起きないように慌てて電話を取った。


「もしもし…。」

『登?俺、何してる?』

「ヒロか…」

『声小さいな、どうかしたのか?』

「実はな…――。」


俺はヒロに今日一日の経緯を話し始めた。

『――…で、今寝てるのかそこで?』

「ああ…。ぐっすり寝てるわ。」

『何か買ってそっち行こか?登、何も食ってないやろ?』

「もうそんな時間か?ならちょっと待て…。」


俺は冷蔵庫の中を確認してヒロに少し買い物を頼んだ。


『――…だな。分かった。ならすぐ買って行くから待ってな。』

「…悪いな。」

『気にするなって。』


そして俺はまた古都の見える位置に座り直した。
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