最後に初めまして。
お腹が空いたと言う古都と、俺とヒロの三人で夕食を食べる事になった。

メニューはペペロンチィーノと野菜の肉巻きソティーに卵スープ。

一人暮らしが長いだけに少しは自信があったが久々に気合いを入れて作った。


『えっ?これって全部…登が作ったの?』

『コイツこう見えても料理だけは上手いんだ。』

「どう見えるんだ?…古都はバスタの方が食べ易いと思ってな。体にもいいからさ。」

『私、ショック…かも。料理は私と変わんないって言ってたのに!でも…嬉しいですぅ。』

「そうだっけ?過ぎた事は忘れる質でね。あははっ…。」

『何ッ?何の話?』

「いや…実はな…。」

『いやぁー。登、言っちゃダメだって!もぉー、意地悪…。』

「あははは…言わないからいいよ。」

『……勝手にやってろ。先、食うぞ。』

『あっ。私も、いただきます。』

「味は…どうよ?」

『すごいっ。本当に美味しいですぅ。』

『相変わらず旨いな。』

「古都今度、料理教えてやろうか?」

『本当に?いいの?』

「俺以外に犠牲者が出たら可哀想だろ?」

『ひっどぉーい。もぉっ。知らない!』

「あっははは…。」


久々に明るく楽しい食事が出来た気がした。

それはヒロもそうに違いない。
顔見れば一目瞭然だ。

しかし…。

俺には古都に話をしなければいけと思っていた。
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