最後に初めまして。
その姿を見ながら俺は続けて話出した。


「俺達って仮にも付き合ってるんだよね。?」


古都は顔を上げ俺を見つめた。
ブラウン色のその瞳には溢れんばかりの大きな涙が溜まっていた。


「俺は詮索しないっていったから、嫌なら答えなくても怒らない。でも…信用しなきゃ、素敵な思い出は出来ないと思うよ。たぶん…。」

『ごめん…なさい。私…うっ…ごめ…ぐすっ。』


大粒の涙が溢れ出した瞬間だった。

ヒロが立ち上がり台所で何かをやり始めた。
そんな事を気にも止めず話を続けた。


「最初は面白くて始めたんだけど今日思った。悪くないかもって。だから…本当にいい思い出を作らないか?」

『うっ…ぐすっ…はい。あり…うっ…がと…。』

『これでも飲んで落ち着きなよ。なっ。』


ヒロが熱いコーヒーをさり気なく差し出してくれた。
さっきからやってたのはこれだったのか…。


「熱っ。ん?まずっ。」

『お前なぁー。んな言い方はないだろ?こんなん誰が入れても変わないだろう?』

「これだから何も知らない素人は困るわ…。」

『…ホント、美味しくない…。』

『古都ちゃんまで言うかなぁ~。』

「ぶっ、わはっはは…。良く言った古都。」

『あはは……。』


泣いてたカラスが何とかってヤツだった。
ヒロの不味いコーヒーで古都の高ぶっていた気持ちも落ち着いていた。
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