最後に初めまして。
マグカッブを置いた古都は静かに話出した。


『私、小さい時から体が弱くて…体の色素も人と違ってて…。』

『だから人と目の色も違うんだ。』

「ヒロっ!」

『あっ、ごめ…。』

『いいんです。慣れてますから。だからあまり外にも出てなくて…。』


生れつき体の弱かった古都は外に出る機会が少なく、外に出れば人と違う瞳や髪の色が原因で幼い時はイジメられたりしていた。

その為ほとんど家から出なくなったらしい。

遠くに行くのは海外の医者に見て貰う為、向うに引越すからみたいだ。


『それでコイツと思い出作りね…。いいのこんなヤツで?』

「ヒロ…てめぇわ!」

『はい。すごく優しくて温かい…大好きです。』

『あっ、そう…。告白されてるぞ。登。』

『告白……きゃっ。』

『今頃照れてるし…ってお前まで照れるな登。』

「照れてねぇーよ。」


恥ずかしいと言うか…真直ぐに答える台詞はただの言葉ではなく、素直に古都の気持ちが伝わって来るようでもあった。


「古都…緊急の連絡先だけ教えてくれないか?」

『あっ、それは俺も賛成する。』

「…分かりました。自宅の電話番号で…。』


紙にスラスラと古都の自宅の番号を書き出した。


「052-412-xxxxって割りと近いな。」

『……はい。』


これで広がる不安も少しは解消されたと俺は思っていた。
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