最後に初めまして。
時間の流れは過ごす相手によって異なる。
そんな感覚を改めて思い知ったかのように時間は流れていた。


「さて、今日はこの辺でお開きだ。」

『もうそんな時間か?』

「古都は朝早かったし色々あったから疲れたろ?送って行くよ。」

『うん……。』

『なんなら泊って行く?俺は構わないよ。』

『えっ?泊る……。』

「お前の家じゃない!」

『古都ちゃんはその気みたいだけど…。』


頬を染めながらブラウン色の瞳を輝かせて甘える様に俺を見ていた。


「古都?ダメだ…。」

『楽しいそうかな?って思っただけですぅ。』

「また…改めてな。」

『ほ、ホントに?約束ですよ。』


たぶん古都は男の部屋に泊ると言う事の意味も知らないだろう。

さしずめ古都にしてみれば修学旅行の夜みたいな物だろうな。


「分かった約束な。送るから行くよ。」

『はい。ヒロさんおやすみなさい。』

『おやすみ~。』

「ヒロ帰るならこの鍵で締めて、ポストにでも入れといて。」


俺はヒロにスペアを渡し古都と一緒に部屋を出た。

車に乗込むと古都は俺に話しかけて来た。


『今日は本当にごめんなさい。でも…すごく楽しくて、ありがとう。私、登で良かったと心から思います。』


今更ながら唐突に真直ぐ伝える言葉に照れくさくて俺は無言で車を走しらせ始めた。
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