最後に初めまして。
ヒロとお嬢様タイプの彼女ねぇ…。

向うに言わせれば、俺と古都も不思議な組み合わせかも知れないが、俺達はあくまでも期間限定だから意味合いは違うだろう。


『それで登と古都ちゃんに、相談があるんだけど…いいかな?』


ソファーに座るヒロが話しかけて来た。
テーブルでコーヒーを飲んでいた俺と古都はお互いに顔見合わせた。


「相談って…何か気色悪い言い方だな。何?」

『彼女、百合の別荘に行くんだけど一緒に行かないか?』

「別荘?ホントのお嬢様かよ。で…何処よ。」

『……北海道。』

「はぁっ?北海道?」

『うわっ、すごい。』

「それって無理だろ?俺はともかく、古都は。」

『うん…聞いてみる。』

「俺達誘わなくて二人で行けばいいだろう?」

『登、煙草吸いに外に行こうか?』


俺達は古都の体の事を聞いてから、どちらともなく古都の前では吸わなくなっていた。

ベンダで煙草を吹しているとヒロが小声で言う。


『北海道だと素敵な思い出が作り易いだろ?』

「それは分かるが万が一を考えると無理だろ?」

『そっか…お前ら居てくれると助かるんだけどなぁ…。』

「何で?」

『二人の時、何話していいか分からなくて…。』


俺は自分の耳を疑った。夜バーに行くと自分から積極的に気に入った彼女に声をかけるヒロの言葉と思えなかった。
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