最後に初めまして。
明け方、昨日なかなか眠れずにいたのに目覚ましが鳴る前に目が覚めてしまった。


「古都の事だから早めに来て待ってる可能性もありだな…。」


俺はコーヒーを流し込み早めに待ち合わせ場所に向う事を決めて部屋を後にした。


「うわっ!」


ドアを開け一歩出た時に横に座り込んでいる古都に気付いて驚いた。


「脅かすなよ…。今度は何してんだ?」

『早く目が覚めちゃって…待っていられなくて…。』

「古都、顔が少し赤いけど大丈夫か?」

『これは、その…あの…大丈夫だから。』


そう言う古都のブラウン色の瞳は少し赤く顔色もほんのりと紅色だった。

コイツ寝てないな――。

俺は古都を部屋の中に誘い、古都の入れたコーヒーをもう一度飲んでいた。


「あんな所で待ってたら危ないだろう?」

『…ごめんなさい。』

「マンションの下やドアの前で待たれても困るからな…これ持ってな。」

『何?これ…。』

「この部屋のスペアだからなくすなよ。」

『えっ?いいの…?』

「変な所で待たれて心配するよりはマシだからな…。暇な時は俺の寝顔でも見てればいいさ。」

『はい。えへっ…。』

「気色悪い顔すな。」

『もぉー、すごい幸せな顔したんです。』

「幸せな顔…ね。」


古都はいつも俺の想像を超えて行動する。
言葉一つで俺の気持ちに入ってくる。

何となく俺の心が読まれてる気がしていた。
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