最後に初めまして。
古都と手を繋ぎ来た道を戻り別荘へと引き返とヒロと百合さんがバーベキューの準備をしていた。


『お前らイチャついてないで手伝えよ。』

「悪かったな。」


俺がすかさずヒロの補助に回る。
奥から百合さんが古都を呼んでいた。


『古都さん材料切るの手伝って貰えます?』

『はーい。』


ヒロは俺の顔を見てから首を横に大きく振り出した。


「古都ぉ、俺が行くからヒロの補助頼むわ。」

『えーっ。それってもしかして…。』

「大切な古都が指でも切ったら大変だからな。」

『そうだよ古都ちゃん。ここ抑えてくれる?』

『ありがと。えへっ。』


ある意味単純で助かったのかもしれない。
俺は急いで百合さんの所に向った。


『あらっ、古都さんは?』

「古都は料理全然出来ないので代打です。」

『ならこれお願いしますね。』

トントントントン…トントントントン…。

『登さん…すごいですね。』

「一人暮らしが長いですからこれぐらいなら。」

『古都さんが羨ましいですわ。愛されてて…。』

「ヒロは恋愛が下手なんですよ…昔からね。」

『えっ?』

「俺が保証しますよ。アイツ百合さんにベタ惚れですからね。」

『うふふっ…。その保証信頼してますね。』


百合さんはそう言って料理に取りかかっていた。料理の腕も上品で上手くお嬢様とは思えない程であった。
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