最後に初めまして。

嫉 妬

別荘を出て近くの湖の周りをぐるっと流す。


『あっ、遊園地があるよ。ほらっあそこ。』

「遊園地は勘弁。」

『うっ…やっぱり?』

『確か近くに水族館がありましたような…。』

『いいねっ。決まり!』


しばらく行くと山の中に小さな水族館があった。こんな所に…。

変な組み合わせだ。


『思ったより小さいな。こんなんすぐ見終わっちまうな…。』

「山の中なんだから淡水魚ぐらいだろ?どんな想像をしてたのやら。」

『冷静な分析ありがとうございます。』

『くすっ…さぁ行きましょうか?』


百合さんに促され水族館に入る事にした。

小さな水族館はやはり淡水魚と熱帯魚のみの展示で小さく2時間程度で全て見終わる物だった。

それでも古都に取っては珍しい物ばかりで終止はしゃいでいた。


『向うに何かいるよ。次向うに行こっ。』

「はいはい…。行くからそんなに引っ張るな。」

『登が遊園地を拒む理由が分かった気がする。』

『うふふっ。そうね。でも微笑ましい光景ですわ。』

『登…ちょっとトイレ行って来る。』

「ちゃんと分かるか?」

『子供じゃないもん。』


俺は近くの喫煙所で古都のいないうちに煙草を吸う事にした。


『あれぇっ、登じゃん。こんな所で登に逢えるなんて嬉しいっ。』


振返っると走り寄って来る真夕美の姿があった。
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