となりの彼女

「本気だよ、マジマジ」

「へぇー、じゃ、朝塚にもう業務以外で話し掛けんなよ」

「頑張ります…」

「ほー…本当に本気なんだ、ま、頑張れよ」

「…うん、っていやいや話を終わらすな」


・・・俺は恋愛話は早く話を畳んでしまう習性らしい。


「何」

「色々聞いてくんないの?・・・どんな子?とかさ」

「まさかこの事を喋る為に食堂へ誘ったんじゃないんだろうな」

「そうですけど」

即答。

「…どんな子?」

「そのまんまじゃねーか」

「お前が話す相手間違えてんだよ」


味噌サバと淡々と口へ運んで行く。


「ま、そりゃそうかもな、この27年間恋した事がない男だもんな」

「うっせーよ、ほら、きっかけはなんさ?」


そうして話を聞いているうちに結局昼休みの大半は山下の恋愛話で埋め尽くされてしまった。


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