となりの彼女

「なっ、真悟と美咲ちゃん、腹減ってない?」

「減ってる」

「減りましたねー」

昼からなにも食ってないし、夜ご飯の時間も過ぎている頃なので、すっかり腹が減っていた。

「じゃっ真悟!じゃぁんけぇん」

と、突然山下がじゃんけんを始める。

「何さ」

「負けた方がコンビニに晩飯買い!…美咲ちゃんは女性だし、こんな時間に1人買いに行かせるわけにはいかないでしょ?」

「わー、ありがとうございます」

「何紳士ぶってんだか」

「当たり前だろ?ほら、はい、決めよ!」

「俺は腹が減ってないぞ」

「えっ、さっき減ってるって言ったじゃん、ねー?」

「そうですよねー」


…朝塚はこういうのにノるタイプか。


「減ってないって言ったら減ってないの!」


俺は面倒になりじゃんけんをさける。

だいたい27歳のいい男がじゃんけんって…

俺がため息をつきかけたその時。


ぐー。


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