となりの彼女
・・・誰だ?
そこは前のやつが異動して空の机だったはず・・・
と、その人は俺達の目線に気づき、くるりとこちらを振り向いた。
「ご挨拶遅れてすみません。本日こちらの課に異動になった朝塚美咲です、よろしくお願いします」
軽く礼をすると同時にさっぱりとしたショートヘアが揺れる。
あぁ、そうだ。確かそんな異動の話があると聞いたような・・・
そして俺も挨拶をしようと名刺を取り出す。
「よろしく。俺は神谷真」
だが、俺の挨拶はそこまで言って遮られた。
「あっ!!新しい人か!俺、山下千秋って言います。分かんないことがあったら何でも聞いてね?」
そしてちゃっかり名刺を渡す。
・・・お前・・・朝の事があったといい、まだ懲りてないのか。
「山下!」
「あ、ごめんごめん、自己紹介どうぞ?」
そういう事じゃねぇ!と肩をはたきツっこむ。
お前のそのポカンとした顔を見る限りまだ懲りてないんだな。