◆~恋色模様~◆
.★*゚おれんじ模様゚*★.
なのに
「美桜って綺麗な名前だよな。
顔も綺麗系だし、あってるよな」
なんて岸本橙が発したのは気の抜ける台詞。
「どうしたの、急に」
「え、いやなんとなく」
っつーか顔綺麗なんて面と向かって初めて言われたかも。
美人って言われても綺麗なんて言われたことないもん。
それに、あたしの顔は万人に受ける美人じゃない。
目がつり目でキツいもん。
万人に受ける美人はきっと、うちの学校の生徒会長みたいな顔よ。
「でも岸本くんだって“橙”じゃん。
“だい”って大体“大きい”っていう字じゃん?
なのにオレンジの橙なんて綺麗じゃん。
岸本くんにピッタリだよ♪」
「それは髪の毛のこと言ってんの?」
やばっ!
調子乗りすぎた!?
返事を返さないあたしの代わりに岸本橙が口を開く。
「岸本じゃなくて橙でいい」
「え?」
なんか話し繋がってなくない?